養成学校でのカリキュラムと履修時間

歯科技工士の養成学校で学ぶ内容は「歯科技工士学校養成所指定規則」に定められており、所定の科目をどれだけの時間をかけて学ぶのかまで、明確な数字が示されています。

履修に必要な時間は、2200時間。選択必修科目に200時間が割かれており、この時間をどう配分するかによって、各養成学校の特色が出せるようになっています。

ここでは、カリキュラムの中でも特に時間が割かれている「歯科理工学」「歯の解剖学」「有床義歯技工学」「歯冠修復技工学」「歯科技工実習」について簡単に説明していきます。

歯科理工学

歯科医療で使われるさまざまな材料について、さらに機械・器具の性質と操作方法を学びます。歯科材料については、基本的な性質や加工方法はもちろんのこと、材料と生体とのかかわりなどについても幅広く勉強しなければなりません。また、歯科鋳造に関する理論や技能の基礎も、この科目で習得していきます。

歯の解剖学

人間の歯は通常28〜32本で構成されています。しかもそれぞれの歯が違った形をしているのです。こうした歯を解剖学的に学び、なおかつ歯の形を彫刻によって再現する技術を勉強します。

この教科で歯の形態、機能、特徴を知り、隣接歯の接触や上下の噛み合わせの関係なども学ぶことになります。

有床義歯技工学

人口の歯肉に人口の歯がついた総入れ歯や部分入れ歯の基礎理論と製作技術を学びます。機能はもちろん外観もきちんと回復するためには、科学的な知識に裏打ちされた技術が必要となってきます。

歯冠修復技工学

いわゆるかぶせ物や、何本かの歯がなくなったときに使うブリッジの基礎知識、金属や合成樹脂、セラミックなどを使った製作技術を学びます。

歯科技工実習

この教科にかける時間は250時間で、全体の授業時間の4分の1を占める長さです。この教科では、基礎課程で学習した知識や技能をもとに、歯科技工士として活躍するために必要な実践的な技術や知識を習得します。

比較的単純なものから複雑なものへと段階的に進み、最終的には高度な技術や最新の材料、技法などについて学びます。歯科技工士として働くための自身をつけるためにも、この教科は非常に重要です。