およそ6割が歯科技工所に勤務しています

厚生労働省の「衛生行政業務報告」によると、厚生労働省に就業届出をしている歯科技工士の数は、約3万7000人です。働く場所として一番多いのは歯科技工所で、約2万3000人、全体の6割です。歯科診療所や病院歯科勤務はその半分に満たない約1万3000人で約2割となっています。

このように、勤務先は、歯科技工所や歯科診療所内の技工室、病院歯科併設の技工室がほとんどですが、そのほかに技工機材や歯科材メーカーもあります。

歯科技工所は一般にラボ(デンタルラボラトリー)と呼ばれており、病院は診療所とは別の場所にあります。歯科医師の指示書にしたがってつくられた補綴物は、病院や歯科診療所に直接届けたり配達したりします。

小規模な歯科技工所の仕事内容

一番小さな規模の歯科技工所は、自営者の歯科技工士が1人、その下に1人、あるいは2人ぐらいの歯科技工士が従業員として働いているようなところです。職場が自営者の自宅内というケースもあります。新卒の人は、製作の下準備、模型つくりなどから始めて仕事を覚えていきます。

中規模の歯科技工士所の仕事内容

歯科技工士が10人程度の人数で、スタッフ同士の間に、先輩後輩の上下関係ができている場合もあります。仕事も最初のうちは、先輩たちの手伝いですが、経験をつむうちに、いろんな補綴を任されるようになります。

また同期の歯科技工士が集まって作られたようなラボでは、各自がそれぞれ得意とする専門分野を担当することもあります。

大規模な歯科技工所の仕事内容

歯科技工士以外にも営業担当や経理事務のスタッフがいる会社組織になっており、社員数は30〜100人程度です。分業体制をしいているところも多く、インレーやクラウン、総入れ歯も別々の部署で製作するようになっています。

また、模型作り、仕上げといったように、製作の工程によって部署が分かれている場合もあります。このような歯科技工所では、より専門の技術を早く身につけることができますが、幅広い技術を習得するには時間が必要となるかもしれません。