顎口腔機能学

食物などを咀嚼する義歯などは、その人口歯の咬む面(切端、咬合面)に咬む力(咬合圧)と咬んで動く方向(咀嚼運動)を考慮し、咬合器の模型上で下顎運動をさせながら製作しなければなりません。そのためには、顎関節の動きなどその基礎的知識を持つことが重要です。

顎口腔機能学は概説に始まり、こうした下顎運動と咬合、咬合器、義歯および修復物の咬合など、顎口腔系器官の機能について理解し、咬合器の取り扱い方について習得するものです。

矯正歯科技工学

八重歯などは並びが悪く、不正な噛み合わせ(不正咬合)に対して、正しい咬合にするための治療の装置などについて歯科矯正の基本的概念を理解し、一般的な歯科矯正装置の製作法に関する学問です。

矯正装置

歯並びや永久歯の正しく生えてくる間隔確保など、不正咬合の改善と予防のための装置で、舌側弧線装置、バンド装置、アクチバートル、保定床、拡大床など、歯の移動や顎骨の改変、保定の治療目的に用いられます。

義歯

口腔内の歯や顎の一部または全部が欠けてない時に、天然歯の代用として咀嚼、発音などの機能的、形態的、審美的に回復する入れ歯の総称で、取り外しのできる有床義歯と、できない歯冠補綴加工義歯とがあり、歯科技工の主軸となるものです。

クラスプ

口腔内に残っている歯(残存歯)に対して義歯が安定するための維持装置のことで、針金状(コバルトクローム合金など)の金属線を曲げるか、または鋳造してその残存歯に義歯の固定を求めるものをいいます。

咬合

上顎の歯と下顎の歯がかんだとき互いに接触したその歯の関係をいいますが、上下の歯全体(歯列)の接触関係も含みます。すべての歯が最大の接触面積で咬み合った状態を中心咬合といい、前歯だけで咬んだり、左右片方で咬んだりしたときなどは中心から偏っているので、偏心咬合といいます。

混合歯列

乳歯と永久歯が混在している歯列のことです。乳歯から永久歯に生え変わる歯を代生歯といい、さらに12本の歯が生えて代生歯に加わる歯を加生歯といいます。

こうした歯が生え出しはじめる6歳頃から終了する12歳頃までのの時期の歯列ですので、混合歯列期ともいわれています。